次世代エネルギーへ向けた主なタンクメニュー

大型液化アンモニアタンクの貯蔵技術

近年水素の輸送媒体(キャリア)として利用拡大が見込まれている液化アンモニアは、国内石炭火力発電での混焼利用等により、低炭素化に寄与することが期待されています。
当社は、海外での液化アンモニアタンク納入実績を踏まえ、国内での液化アンモニア利用拡大に貢献します。

液化アンモニアの特長

内容物 液化温度 密度
(液体)
液化時
体積収縮率
備考
液化プロパン
液化ブタン
-45℃
-10℃
580 kg/m3
601 kg/m3
1/250
1/300
---
液化アンモニア -33℃ 680 kg/m3 1/800 毒性を有する。
鋼材の応力腐食割れを誘起。

当社の液化アンモニアへの取り組み

  • 中東・北アフリカ・東アジアにおいて納入実績があります。
  • 液化温度が近いLPG(液化石油ガス)タンクは、国内・海外において100基以上の納入実績があります。
  • クリーン燃料アンモニア協会(CFAA) /アンモニア貯槽基準検討ワーキンググループに参画し、技術基準作成に貢献しています。

大型液化水素タンクの開発

2030年頃の水素発電商用化に向け、世界初となる5万m3の大型液化水素タンク建設実現を目指しています。
LNGに比べ液化温度が低く蒸発しやすい液化水素は、従来のLNGタンクとは異なる断熱構造が必須であるため、これについて研究開発を実施しています。

大型液化CO2タンクの技術検討

当社は極低温タンクや圧力容器の建設技術を活かし、9%ニッケル鋼を用いた低温・低圧仕様での大型液化CO2タンクの技術検討を完了しました。

1. 背景

カーボンニュートラル実現のため、CCS・CCUS*1技術の利用拡大が世界的に期待されています。大型液化CO2タンクは分離・回収したCO2の貯蔵機能を出荷・受入基地の双方で担う重要な設備となります。一方で、現存する高張力鋼を使用した「中温・中圧」仕様のタンクでは貯蔵容量の大型化に課題があり、将来的な船舶での大量輸送においては「低温・低圧」仕様での運用が不可欠とされています。

  • ※1
    「CCS」:CO2を分離・回収し、地中などに貯留する技術(Carbon dioxide Capture and Storage)
    「CCUS」:回収したCO2の貯留に加え利用する技術(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)

2. 「大型液化CO2タンク」の概要

  球形タンク 二重殻縦型タンク
主要材質 9%ニッケル鋼
容量 1万トン超級 5千トン超級
特徴 貯蔵容量の最大化が可能 敷地面積の有効活用と
優れた保守運用が可能
形状

大型LNG(液化天然ガス)タンクの納入実績

1969年にブルネイ向けLNG (液化天然ガス)タンクを初受注して以来、国内は電力・ガス事業者のLNG受入基地、海外では天然ガス産出国のLNG出荷基地を中心に、多くのLNGタンクを納入しています。また、9%ニッケル鋼と同等の強度と靱性を持ちながら、高価なレアメタルであるニッケルの使用量を約2割削減した7%ニッケル-TMCP(熱加工制御圧延法)鋼を世界で初めて採用した23万KLの世界最大級タンクを建設しました。